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 海外旅行には、ハプニングやアクシデントが付き物ですが今回も滅多にない事を体験し見てきました。

 先ず関空でツアーの集合時に、昨年トルコへ行った時に一緒だった京都の女性(60歳)が、今回も全く偶然にも一緒であることが判明。彼女は漫才の「大助・花子」の花子似で、また、オバサンタイプではなく、歴史の好きな同級生といった感じで、ツアー中ずっと「花ちゃん」と呼んで、しょっちゅう食事など同席しました。今回も海外旅行数十回の達人達がほとんどでしたが、彼らの話を聞いてもこんな事は滅多にないと言っていました。

 次に、モロッコのカサブランカ空港で入国時に、1人の女性(彼女も超ベテランでしたが・・・)がパスポートを機中で盗まれた(ドーハ→カサブランカ便に2〜3名のスリが乗っていた)ことが判明。当然、ツアーを離脱しての行動を余儀なくされましたが、「日本への出国許可書」を大使館で発行してもらい、幸いにも我々一行と一緒に帰国することが出来ました。昨夏、北京空港への帰途のバス中も同様なことがありましたが、大使館の迅速な対応で、なんとか同じ便に乗れた事がありました。外務省についてはマスコミでろくな話が出てきませんが、現地の駐在員たちは、邦人保護のために一所懸命努力していることが、今回の女性からも直接教えてもらい、外務省に対する見方が多少変わりました。

 3つ目ですが、最終日のカサブランカでのホテルの夕食(モロッコ餃子)で夜中に腹痛を起こし下痢(3〜4人の軽症者がいましたが、重症は当方1人)。翌日は、3食とも絶食、代わりに正露丸を何回もパクツキ、なんとか無事日本へ帰って来ましたが、すぐに近所の医者へ行きました。まあ最終日でよかったものの、初日なんかになっていればと考えればぞっとしましたが、こんな事は初めてで貴重な経験になりました。

 さて本題のモロッコですが、今回の経路は、カタール航空で、関空→ドーハ(例の「ドーハの悲劇」の場所)、ドーハでトランジット、ドーハ→トリポリ(リビアの首都)経由→カサブランカでしたが、前述のスリは乗り継ぎ便です。モロッコのイメージは一般的には、「哀愁のカサブランカ・・・」のようですが、やはりあのイングリットバーグマン主演の「カサブランカ」や日本の太陽が昇る国に対して、(大西洋に)太陽が沈む国ということが大きく影響しているみたいです。

 またモロッコは、世界の歴史の表舞台に立ったことがない国なので、そういう面での感慨は全くありませんが、古都のマラケシュ、世界遺産の迷宮都市フェズ、アラビアのロレンスやハムナプトラ2のロケで有名な世界遺産アイト・ベン・ハッドウ、それからなんといっても世界一のサハラ砂漠の一角から見る日の出は、感慨無量です。モロッコは達人達に聞いても、3位前後に入ってくるところですが、乗り継ぎ便での長時間のフライト、宿泊設備のお粗末さ、食物の不味さなどのハンディを、はるかにカバーして余りある魅力があることも又事実のようです。