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 以前ネットで見た鉄道マニアの「大回り乗車」を、昨日妻と暇に飽かせて実行してきました。こんなことは退職後しか出来ません。

 大回り乗車は、ご存知の方も多いと思いますが、簡単な例で言えば、大阪環状線の「天王寺→新今宮」を大回りして反対回りに、天王寺から鶴橋→大阪→弁天町→新今宮と乗車するようなことで、運賃は、どちらの乗り方でも120円です。我々の場合は、貝塚市の和泉橋本駅から次の東貝塚までの1区間120円の切符を購入して、ストレートに行けば、わずか2〜3分の距離を、10時間もかかって乗車してきました。

 以下はその行程です。

1.和泉橋本08:36→和歌山09:13(阪和線:区間快速)
和歌山駅で駅弁購入。これが大正解で、以降駅構内での駅弁の販売はなし(大阪市内と東海道線は除く)。
2.和歌山09:50→奈良12:52(和歌山線、高田・桜井線経由:奈良行き直通普通)
生まれて初めて乗った区間
この区間は、あとで出てきます関西線の区間と並んで、一番のネックで、昼は1本/1時間しかない。また、なんと所要は3時間! 速度は結構速い(80Km/hぐらいは出ています)が、対向待ちや主要駅での停車時間が長い。
電車はワンマンの2両編成で電化されているが、沿線はほとんど無人駅で、そこでは2両目のドアは開きません。
途中の区間で、JRの子会社の職員が乗り込んできて、検札があり、120円の切符を見せ、「大回りしてます。」と言うと、その職員は、「最近大回り乗車は多いですよ。どこまで行かれますか。」と笑顔で愛想が良かった。
この区間での特筆すべきことは、五条駅の次の北宇智駅のスイッチバックです。日本全国では、かつての信越本線横川駅が超有名でしたが、「今では、残っているのはここぐらいかな」と職員の話。
3.奈良13:10→加茂13:24(大和路線:大和路快速)
4.加茂14:08→柘植(つげ)15:02(関西本線:亀山行き普通)
生まれて初めて乗った区間
上記2.と同様、大回りでは、ネックの区間。昼は1本/1時間しかない。接続が悪く、加茂駅で40分あまりの待ち時間。ここのホームで待っているときに、外人の女性が「伊賀上野、ここですか?」と、たどたどしい日本語で聞いてきた。事情を説明すると、彼女は新幹線を良く使っているらしく、同じ日本でこの閑散振りが信じられない様子でした。
この区間は、本線とは名ばかりで、列車は1両のワンマンで非電化、ディーゼル車。加茂駅構内には2両編成が2組あったので、朝の通勤時間帯はこちらを使用か。北海道の根室本線(釧路−根室)、日高本線(どちらも非電化・単線・列車1両)と同様ですね。
ここで見かけた老夫婦が、結局草津まで一緒となり、彼らも大回り乗車をしていることがあとで判明。
沿線で、「関西本線・複線電化促進」の看板を2箇所見ましたが、いったい誰が乗るのかなと大きな疑問。
5.柘植15:26→草津16:12(草津線:普通)
生まれて初めて乗った区間ですが、この沿線は田舎ではなく都市近郊という雰囲気。
ここから電化、車両も4両、高校生の通学客多し。
柘植駅で停車中、2度目の検札
6.草津16:26→大阪17:14(東海道線:新快速)
7.大阪17:30→東岸和田18:19乗換え東貝塚18:21(環状線・阪和線:関空快速・東岸和田で普通乗り換え)
最後に、東貝塚で駅員に駄目押し(切符には08:30の刻印あり)のつもりで、「大回り乗車ですが、自動改札OKですか」と尋ねたら「問題ないです。どうぞ」と返答ありました。

 行程は以上の通りで、約10時間、全部座れましたが、さすがに疲れますね。小旅行をはるかに超えています。また、この経験は同じルートなら1回で十分ですが1回は値打ちがありますね。

 なお、大回りのルールですが、私がネットで見た範囲では、
 ・大都市近郊に限る(大阪、東京など)・・・大阪近郊では、上記以外に琵琶湖1周、福知山線
  (谷川まで)、播但線も含まれるようです。
 ・同じ駅を2回通ってはダメ。要するに一筆書き。
 ・途中下車は不可なので、動けるのは駅構内のみ。
 ・1日で終了する必要があり、2日にまたがってはダメ。
といった規定があるようです。